11月2日(月)朝の、テレビ東京「Newsモーニングサテライト」(略称「モーサテ」、番組の公式ページ)の文字起こしから、後半のコーナー「プロの眼」(ゲストは東短リサーチの加藤出さん。テーマは「日銀利上げのペースとターミナルレート」)を中心にまとめました。そのほかのゲストの話やニュースは、担当分野ごとに整理しています。
文字起こしの誤りは、文脈と、番組の公式ページ(「解説は〇〇氏」)で確認して直しました。確度の低いものは、違っているかもしれません。今回の文字起こしは、番組の冒頭(米国株の終値など)が欠けているため、その部分は書いていません。
📌 今日の要点
- プロの眼のテーマは「日銀利上げのペースとターミナルレート(最終的な到達点)」。加藤さんは、日銀も米国のFRBも次は12月の利上げとみています。日銀の政策金利は、少なくとも2%までは上がり、2028年にかけて2.5%ぐらいまで行く可能性も見ておくほうがよい、という見方です。
- 先週末(10月30日)は、AI・半導体関連が大きく下落し、エヌビディアが4%、AMDが10%下落。ハイパースケーラー(巨大IT)のフリーキャッシュフロー(自由に使える現金)の赤字が拡大したことが嫌気されました。月末の利益確定売りや、3日の米国中間選挙を前にしたリスク回避も重なりました。
- それでも、米国株全体では業種を入れ替えながら上昇しています。先週はS&P500の11業種のうち9業種が上昇しました(村松さん)。
- 米国の石油メジャーの決算は大幅な増益。シェブロンの純利益は約2.8倍、エクソンモービルは約2倍になりました。
- 日本では、GMOインターネットグループが、きょう午後に不正アクセスの記者会見を開きます。ほかにも、クラブツーリズムで約432万件の個人情報が流出した恐れがあります。
- 今週は、3日(火)に米国の中間選挙(東京市場は文化の日でお休み)、6日(金)に米国の雇用統計、7日(土)に日銀の上田総裁の講演があります。
🔎 プロの眼:日銀利上げのペースとターミナルレート(加藤出さん)
加藤さんは、東短リサーチの方です(公式ページより)。
① 次の利上げは、日米とも「12月」の見方
- 先週は日米とも政策金利を据え置きました。市場が織り込む利上げの確率は、FRBの次の利上げが12月で7割程度、来年1月まで含めると100%を超える水準です。
- FRBの新しい議長が「米国のインフレはまだ高い」と話していることから、加藤さんは12月に利上げする確率は高いと見ています。そのとき日銀も一緒にやらないと円安になってしまうので、日銀の次の利上げも12月だろう、という見方です。
- 市場の織り込みを見ると、FRBは来年6月までの利上げは織り込まれていますが、3回目の利上げは予想されていません。一方、日銀は、政策金利が2%に到達するのが来年10月前後と見られています。そうなると日米の金利差は縮まり、もっと円高になってもよさそうですが、いまのところ、はっきりしていません。
② なぜ円は上昇してこないのか
- 2020年を起点にした「名目実効為替レート」(主要な通貨全体に対する円の強さ)を見ると、主要通貨の中で円だけが大きく下落しています。最近は下げ止まっていますが、反転上昇にはまだ至っていません。
- 理由の1つ目は実質金利が低いこと。政府の物価対策の効果を除いて見ると、日本の実質政策金利はかなり深いマイナスです。さらに、この春から川上(企業物価)のインフレが高くなり、川下(消費者物価)に波及してきているため、このままでは実質金利のマイナスがじわじわ大きくなる恐れがあり、これは円安方向に働きやすい力です。
- 理由の2つ目は中立金利との比較。海外の中央銀行は、政策金利が推定される中立金利のレンジの上限を超えた高いところにあります。一方、日本はようやく推定レンジの下限に入ってきたところ。しかも、日銀が3月に発表した論文では、デフレ期のデータで推定した中立金利は低く出すぎている可能性があるとされています。それを考慮すると、より正しい中立金利は1.5〜2.5%ぐらいかもしれず、その点でも日本の金利はまだ低い、と話しました。
③ 金利が上がると、何が起きるか
- 変動金利で住宅ローンを借りている家計や、低金利でやってこられた零細企業は、これから苦しくなる可能性があります。
- 企業の倒産件数は、コロナ期に「企業をつぶさない」政策の結果、バブル期に匹敵する少なさでした。東京商工リサーチのレポートによると、最近の倒産の増加は物価高と人件費の上昇が主因で、金利上昇の影響は、まだ明確には出ていません。ただ、加藤さんが何人かの地方銀行の経営者に聞いたところ、「問題はこれから出てくる」という答えが多かったそうです。
④ 利上げの「終着点」は?
- 加藤さんの予想は、少なくとも2%。ただし、その先をどうするかは、日銀が、打撃を受けている人々の状況や、利上げを止めることのデメリットを比べながら、かなり肌感覚に近い判断で決めていくことになる、と見ています。
- 日銀が前に継続的に利上げをしたのは、1980年代の終わりから90年にかけて。その当時の経験があるのは、日銀の中では内田副総裁ただ1人と言われ、2%近辺まで来ると結構慎重になるだろう、という話です。
- ただ、金利が2%になっても、インフレが2%を超えていれば実質金利はマイナスです。世界経済が腰折れしなければ、2028年にかけて、さらに若干の利上げで2.5%ぐらいの可能性も見ておくほうがよい、と話しました。
⑤ 人事も、先行きを左右する
- 高市政権が選んだ2人の審議委員(佐藤委員を含む、と聞こえました。確度は低い)は、前回の会合で利上げに反対しています。来年7月に任期が来る2人の後任の人事が焦点で、明らかになるのは来年2月下旬から3月上旬と見ています。
- 政府が、利上げに反対しなさそうな人を選ぶと、市場の連想がすぐ先に行き、2028年の総裁人事も「利上げしない人を選ぶのでは」と思われて、為替や長期金利にショックが来る恐れがある。政府は、経済にとって一番よい人を選んでほしい、と締めくくりました。
📈 前半の市場のおさらい(米国株、為替、株価見通し)
米国株と決算
- 10月30日(10月の最終取引日)は、AI関連への警戒が半導体株全体に広がり、エヌビディアが4%、AMDが10%下落しました。ハイパースケーラーのフリーキャッシュフローの赤字拡大が意識されたほか、月末の利益確定売りと、中間選挙を前にしたリスク回避の売りが強まりました。
- 米国の石油メジャー、シェブロンの7〜9月期決算は、売上高が1年前から約3.6%増、純利益は約2.8倍。中東情勢や、ウクライナによるロシアの製油所への攻撃などで世界的に供給が逼迫するなか、製油などの下流部門の利益が急増しました。エクソンモービルも純利益が2倍に膨らみ、売上高とともに予想を上回りました。
- 欧州連合(EU)の統計局によると、ユーロ圏の7〜9月期の実質GDPは前期比0.4%増(年率換算で1.7%増)で、4〜6月期より減速。国別では、アイルランドが5.5%増、イタリアは横ばい、ドイツは0.2%増にとどまり、金利の上昇に苦しむフランスは0.1%のマイナス成長でした。
米国株の見通し(和キャピタル・村松一之さん)
- 先週末のAI・半導体株の大きな下落は、中間選挙前という、投資家がリスクを取りにくい時期に、悪材料が立て続けに出た結果、と見ています。もともとあった米国の金利上昇と、コアウィーブ・ショックの余韻に加え、決算シーズンに入って、AI需要は非常に強いのに、ハイパースケーラーの設備投資の大きさで、フリーキャッシュフローの悪化が市場の思っていた以上だったこと。さらに、AIが強いからこそ、既存のビジネスモデルにAIが影響を与えることにも、市場は神経質になっています。
- 報道ベースですが、アンソロピックの格付けが低くなるのではという話も、重しになった、と話しました(格付けの内容は聞き取りが乱れていて、確度が低いです)。
- ただ、米国株全体で見ると、セクターローテーションの中で回っている。先週もS&P500の11業種のうち9業種が上昇しており、「ハイテクから他の業種へ」という段階だと見ています。
強気相場は5年目。どう見るか
- 過去の強気相場と比べると、今回は無理のないペースで上昇してきました。ただ、5年目になると勢いは弱まります。1950年以降の11回の強気相場では、3年目が弱く、4〜6年目が好調。ただ、強気相場の平均的な期間は約5.5年なので、5年目の途中で終わっても不思議ではなく、中間選挙がそのきっかけになる可能性もあります。
- 議会の構成と株価を見ると、共和党の大統領のときは、1950年以降ではねじれ(分割)議会が最も好調で、1970年以降でも、同じねじれは株式相場にとって決して悪い状態ではありません。民主党が両院を取っても、それだけで強気相場が終わるとは思わない。今回は共和党の苦戦が広く織り込まれているので、共和党が上院を死守すれば、ポジティブなサプライズになる、と話しました。
- より重要なのは、中間選挙後のイラン情勢に対するトランプ大統領の判断です。
- 強気相場が続くカギは、外部環境が変わっても企業業績が崩れなかったこと。AIの成長ストーリーへの不安は、これからも繰り返し起こるが、それが業績に反映されない限り、「不安の壁」をよじ登りながら、セクターローテーションを伴って続く、という見方です。
為替の見通し(SMBC日興証券・丸山凜途さん)
- 予想レンジは157円00銭〜158円20銭。足元では、株価の動きが為替にも波及しています。本日はアップルの決算が予定されていて、米国株が戻すのか、株安が進んで円高になるのかに注目、という話でした。
- 先週の日米欧の中央銀行は、いずれも政策金利を据え置き。印象的だったのは、日銀の上田総裁が「基調的な物価上昇率が、おおむね2%に達した」という認識を示したことです。物価目標にようやく到達したという意味では節目ですが、今回の据え置きは、利上げ路線の転換を意味するものではない。12月会合に向けて、日米とも約8割の利上げが織り込まれています。
- 次の会合まで時間があるので、目先の関心は、金融政策から株価や投資家のリスク許容度に戻る、という「原点回帰」を想定しています。注目は、米国で株安のときに国債が買われて金利が下がり、それがドル安につながる流れです。
- 円高・円安が加速しやすい水準を考える参考として、ドル円のオプション市場があります。オプションを売った銀行は、損失を防ぐために、円安になれば円を売り、円高になれば円を買うという、相場を追いかける売買をします。契約が集中している水準(行使価格)に近づくと、その売買が一気に膨らみ、相場の勢いに拍車をかけます。いまのデータでは、円高方向で155円や152円、円安方向で160円のあたりに契約が集中している、とのこと(数字の細部は聞き取りが不確か)。今週は中間選挙もあるので、これらの水準を注意点として見ている、と話しました。
- 先週金曜日の日本の10年国債の利回りは、2.75%に低下しました。
きょうの日経平均
- 大阪取引所の夜間取引は6万2,420円。「20%超の下落は回避した」という説明がありました(何から20%かは、聞き取れませんでした)。
🗓️ 今週の予定と、ゲストの見方
| 日付 | 予定 |
|---|---|
| 2日(月) | 米国の10月のISM製造業景況指数。アップルの決算 |
| 3日(火) | 文化の日で東京市場は休場。米国は中間選挙の投開票 |
| 4日(水) | ユーロ圏の消費者物価指数。米国のADP雇用報告、ISM非製造業景況指数。クアルコムの決算。モーサテは、米国中間選挙の情勢を現地から伝える |
| 5日(木) | 英国の中央銀行の政策金利。ソニーグループ、トヨタ自動車などの決算 |
| 6日(金) | 米国の10月の雇用統計。三菱重工業などの決算 |
| 7日(土) | 日銀の上田総裁の講演 |
- 上田総裁の講演(加藤さん):日銀が「基調的なインフレが事実上2%に達した」という認識を示したあと、初めての総裁講演で、中間選挙の後でもある。今後の金融政策運営の表現に変化が出るかが注目です。
- インフレ2%の「その先」(加藤さん):政府と日銀が共同声明でインフレ2%の目標を掲げたのは2013年1月で、達成まで13年9か月かかりました。当時は、デフレが日本経済低迷の主因で、インフレが2%になれば復活する、という期待がありました。しかし、インフレを差し引いた実質の消費支出は、ほぼ横ばい(インバウンドの観光客の消費を除くと、むしろ水準が低い)。米国の堅調な消費と比べると差があります。インフレだけではダメで、家計が恩恵を感じられるよう、実質賃金が増える地道な構造改革も必要、という話でした。
- 中間選挙(村松さん):トランプ大統領はてこ入れ策を打ってきたが、必ずしもうまくいっていない。マーケットでは上下両院とも民主党が奪還するという見方もあるが、村松さんは、下院は民主党が取るが、上院は接戦で、開けてみるまで分からないと見ています。通常の選挙と違うのはイラン情勢で、トランプ大統領が「中間選挙後に重大な決断をする」と言っているため、見極めが必要。また、州レベルではデータセンターの建設許可や電力も争点になっていて、落ち着くまでに時間がかかる可能性があります。
- 日銀のETF売却の加速(加藤さん):昨年9月に決めたペースでは、全部売るのに約112年かかる計算でした。1年やってみて、そこまで慎重でなくてよさそうだとして、約43年に短縮。日銀が売却すると今は利益が出て、日銀の利益は国庫納付金として政府に入るため、消費税減税の財源を探している政府にとっても悪い話ではない、と両者の利害が一致した形、という見方です。
- 米国株で大切なこと(村松さん):AIの成長ストーリーへの不安は考えてもしょうがなく、ハイパースケーラーは儲かると思って設備投資をしている。それよりファンダメンタルズが大事で、米国の経済は順調、個人消費も強く、企業業績も崩れていない。クレジット市場は、局地的には問題が出ているが、全体ではおかしくなっていない。これから注意すべきは、米国の金利の水準と、エネルギー価格、と話しました。
🛡 永田町の風:サイバー有事に、日本が取るべき防衛戦略(自民党・平将明さん)
自民党の国家サイバーセキュリティ戦略本部の本部長で、元デジタル大臣の平さんへのインタビューでした(氏名は、文字起こしの「平正明」から。確度は中)。
- GMOグループなどの企業や政府を標的にした大規模な不正アクセスが相次いでいます。個人情報の漏えいは8月ごろから急速に拡大し、被害は延べ約2億6,000万人分にのぼります。先月26日には、高市総理が緊急の閣僚会議を開き、政府は今週にも緊急対策パッケージを取りまとめる方針です。
- 平さんは、これを「サイバーパンデミック」と呼びます。ウイルスと違って、サイバー空間なので、広がりがより速い。水が出ない、電気が止まる、金融が止まる、といったことが次々に起こりうる「サイバー有事」への備えが必要、という考えです。
- 高市総理への提言では、官邸主導の対処本部の設置や、攻撃を事前に察知して、敵のサーバーに侵入して被害を抑える能動的サイバー防御を実行できるようにすることなどを求めました。例として、ロシアがウクライナの鉄道の制御系のサーバーに侵入し、いつでも乗っ取れる状態にしていたこと。そうなる前に、指示を出してくるサーバーにアクセスして、通信を切る、プログラムを消す、といった無害化をする、という考え方です。
- ただし、運用は極めてハードルが高い。攻撃元を特定できるか、そのサーバーに侵入できるかも分からず、実施の可否は機密性も高い。GMOも政府に実行を求めましたが、民間企業に頼まれて攻撃するというものではありません。実施した場合は、国民に事後通知するとしています。警察や自衛隊の能力は「だいぶ上がってきた」と評価しつつ、最先端のAIはほぼ米国か中国なので、日本は米国のフロンティアAI事業者との連携が要になる、と指摘しました。
- 企業には、侵入されることを前提にしたゼロトラスト(何度も認証を重ねないと、さらに奥には入れない仕組み)への転換を求めます。経営者自身が、情報システム担当に丸投げせず、自分のこととしてサイバーセキュリティに向き合うことが重要、とも話しました。
- ビジネスチャンスとして、日本には秘密計算技術(侵入されても暗号化されているので意味がない)などの強みがあり、「米国製も中国製のAIも使えない」という国にとって、日本ブランドは輸出の強みになる、との指摘もありました。
- 解説の堀口記者は、政府の今後の課題を2つ挙げました。AIを使った攻撃(弱点を特定して、修正される前に突く攻撃など)にどう対処するか。そして、非公開から公開へ、つまり、これまで手の内を明かさない秘密主義が基本だった政府が、何が起きているのか分からないこと自体が不安になるため、状況を公開して国民を安心させる環境づくりが必要、という点です。
🌐 グローバルアウトルック:日米で違う「稼ぐ力」の身につけ方(第一ライフ資産運用経済研究所・有田博之さん)
「テレ東系 日米経済ウィーク」の特別企画で、1987年に日本興業銀行に入行し、その後、米国のブラックロックなどで、日米で通算35年の運用経験がある有田さんが出演しました(肩書や氏名は、文字起こしのまま。公式ページで未照合のため、確度は中)。
- 投資への信頼度の違い:運用会社や投資ファンドへの信頼度は、中国がダントツで高く、米国が50%、日本は28か国で最も低い水準でした(日本の数字は、聞き取りが乱れていて、記載しません)。
- 関心のある金融商品:日本では預貯金が54.7%と大半を占め、株式投資は2割程度。米国では6割近い世帯が、直接、または401(k)などを通じて株式を保有しています。
- 背景は、教育と文化、そして国の仕組みです。米国では、自分の株の儲けを明るく話題にするが、日本では「汗水たらして働いた収入でないと」と、ためらいがある。日本では、産業界に資金を効率よく供給するために預貯金が推奨され、米国では、早くから401(k)などで自分の判断で老後の資金を準備する教育がなされた。米国では、勤労所得と同じように「投資収入も美しい」という文化が根付いた、と話しました。
- 積立の成果の比較:米国でS&P500を毎月積立投資していたら、過去30年間で、銀行預金にした場合の約6倍。日本でTOPIXを同じように積み立てていたら、銀行預金の約3.6倍。
- アドバイス2つ:①中長期の視点で投資する(短期トレードは研ぎ澄まされた世界で、プロでも勝てて51勝49敗)。目的と期間に合った投資をする。例えば、若い人の老後資金なら成長株100%を勧めるが、リタイアした人は債券を多めに。投資は、自分のお金の価値を世の中と同じスピードで成長させることが目的で、株価指数が世の中の成長を表すなら、銀行預金のままでは置いていかれる。②世の中の情勢を知り、重要な数字の「相対感」を頭に入れる。例えば、トランプ大統領が「中間選挙で共和党が勝ったら、18歳以上の米国人に5,000ドル配る」と言ったが、米国のGDPは日本の約7倍、人口は約3倍。日本のコロナ時の10万円給付より、財政への影響ははるかに大きく、「米国の金利は上がるのでは」という結論になる、という例です。
- 締めくくりは「稼ぐ力には教養を」。株や債券、不動産は世の中を映すもの。投資のハウツー本ではなく、歴史、宗教、音楽などをしっかり勉強し、人間そのものを理解することが必要、と話しました。
💡 みんなの今時資産形成術:日本人の購買力は低下した?(三菱UFJ信託銀行・松木純一さん)
- 購買力とは、自分のお金や所得で、どれだけ物やサービスが買えるか。国内の暮らし、海外の商品・サービス、将来の生活の3つの観点があり、今回は海外と将来の購買力を見ました。
- 海外への購買力が弱くなったのは、円安の影響が大きい。ただ、それだけでなく、物価水準を調整した1人あたりGDPの日米の差は広がっていて、物価の影響を除いた平均賃金も日米の差が広がっています(日本はわずかにマイナス)。
- 日本では長く物価が上がりにくかったため、所得が増えなくても国内の購買力は維持され、現預金中心で資産を持つことにも合理性がありました。しかし、物価が継続的に上がる今、現預金だけでは将来の購買力が目減りする可能性があります。
- 米国の401(k)には、本人が断らなければ自動的に給与から積立が始まる、掛け金を段階的に増やす、年齢に応じて資産配分を調整する商品を最初の選択肢にする、といった工夫があります。「始める・続ける・育てる」を、意欲だけでなく仕組みでも後押ししている、という説明です。
- 日本でも2026年に、制度の拡充が進んでいます。企業型DCでは、会社の掛け金に上乗せするマッチング拠出で、「本人の掛け金が会社の掛け金を超えてはいけない」という制限が4月に撤廃。12月には、会社員の企業年金とiDeCoを合わせた拠出限度額が、月5万5,000円から6万2,000円に引き上げられます。iDeCoも、一定の要件を満たせば、原則70歳未満まで加入できるようになります。
- まとめ:お金をいつ使うかで分ける。近く使うお金は現預金でしっかり守り、10年、20年先のお金は制度も活用しながら長期・積立・分散で育てる。さらに、自分自身の働く力も育てる。物価は自分では動かせないが、自分の力と資産の持ち方は見直せる。「守るか育てるか」ではなく、守りながら育てる、と話しました。
📰 そのほかのニュース(抜粋)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| GMOインターネットグループ | 不正アクセスに関する記者会見を、きょう午後に開くと発表。熊谷社長が経緯や事実関係を説明する見通しで、問題の発生後、記者会見は初めて。これまでは社長が自身のSNSで対応方針を発信していた。子会社のGMOグローバルサインは、顧客企業の個人情報が、少なくとも約4万5,000人分漏えいしたと発表。原因は設定ミスで、情報は約9年間、外部から閲覧・取得できる状態だった。第三者に取得されていたことも確認されたという |
| クラブツーリズム | 不正アクセスで、顧客の個人情報約432万件が流出した恐れがあると発表。インターネット予約システムの会員の氏名、住所、メールアドレスなどで、パスポートやクレジットカードの情報は含まれていない。10月30日に不正アクセスを検知し、通信を遮断した |
| 世論調査(番組の予想) | 11月6日(金)の日経平均の終値の予想(中央値)は6万2,600円(先週末の終値より約700円低い)。ドル円の予想(中央値)は157円ちょうど。6万1,400円と低く見る人は、中間選挙の結果とAIデータセンターへの過剰投資の懸念で乱高下すると予想。6万3,000円の人は、中間選挙後のイベント通過の安心感で買い戻しが広がるかに注目。158円と予想する人は、金曜日の雇用統計で年内の利上げ期待が維持されれば、ドル円は底堅い、としている |
| テレ東系 日米経済ウィーク | 11月8日まで、全ての経済番組で「稼ぐ秘訣を考える」特別企画を放送中。モーサテの中原・藤井両キャスターは、「お金はありがとうの対価」「回り道をした経験が未来への投資になる」と話した |
| モーサテのリアルイベント | 11月20日(金)に、キャスター全員が集まるリアルイベントを開催。申し込みはあす11月3日いっぱいまで |
| 天気 | 広い範囲で雨。東京は昼過ぎから夕方に雨。最高気温は東京20℃、名古屋17℃、札幌8℃、岡山24℃。あす(文化の日)は広く晴れる見込み。台風31号は強い勢力を保ったまま小笠原近海をゆっくり進み、小笠原諸島では高波に警戒 |
🧭 今日の学びの整理(子どもに伝えるなら)
- 金利は「上げる」だけでなく「どこまで上げるか」が大事:金利が上がると、ローンを借りている人や小さな会社は苦しくなる。だから日銀は、効果と副作用を比べながら、慎重に決める。
- 物価が上がるのに、お金の価値を守れていない? 預金だけだと、物価が上がる分、買えるものが減る。目的(いつ使うお金か)に合わせて、守るお金と育てるお金を分ける。
- 数字は「相対感」で見る:「5,000ドル」と「10万円」は、どちらが大きいか。国の大きさ(GDPや人口)と比べて、はじめて意味が分かる。
- 便利さの裏には、守りが必要:サイバー攻撃で個人情報が漏れる事件が続いている。パスワードの使い回しをしない、怪しいメールを開かない、など、家庭でできる備えもある。
- 「稼ぐ力」には教養:投資の技術だけでなく、歴史や文化を知ることが、世の中を読む力になる。
※この記事は、番組の内容を、自分の言葉でまとめたものです。数字や人名は、文字起こしからの推測を含みます。投資の助言ではありません。

